パーソンセンタード表現アートセラピー
私と、パーソンセンタード表現アートセラピー
私が、「パーソンセンタード表現アートセラピー」を知ったのは、2006年頃。
その頃、私が通っていたスクールでは、心理療法を受けて自身を癒していく事が在籍条件だった。
(今でもそのアプローチは続いている)。
その時に課題図書として読んだ、
「表現アートセラピー入門(小野京子著)を読み、私はとても大きな感銘を受けた。
その本には、私自身が言葉に出来なかった、子供の頃からずっと欲しくて憧れ続けていたものが書いてあった。
比べない、評価しない、ジャッジしない、正解は無い、参加も不参加も自分で決める事が出来る。
提案はあるがそれに従わない選択もあり、それは自身に任されている。
安心できる安全な空間がそこにはある。
上手い下手が無い。絵だけではなく、あらゆるアートを扱う。音楽、ダンス、ドラマ、立体物の創作、ゲーム、遊び・・・。
私は子供の頃から長い間、自分自身の中にある創造性を閉じていました。
育った環境、当時の学びの環境では「好きでは無いことをせねばならない、自分は何をやっても皆と同じものが作れない、描けない、表現すると笑われたり叱られたりする。
子供の私は 本来持って生まれたクリエイティビティ、創造性を表面に出すと傷ついてしまう。
何をやっても作っても理解してもらえず指導が入る・・。
いつしか
「自分は不器用で何をやってもうまくいかない・・。」と思い込み、本来ある生き生きとした自分から乖離することを覚え、忘れものが多く、ぼーっとした子供になり、記憶も曖昧になり、モノクロ世界の中で子供時代を過ごしていたように思う。
そんな私を唯一救い上げたアイテムがフルートだったが、自己価値が低い私は「どうせ下手くそだから」と思い込んでいた。そういう中でも、音を出している間は 心が救われていたのだと今になって感じている。
「表現フートセラピー入門」の本を読んだとき、私は流れる涙を止めずに居た。乾いた大地に水が染み込むように。
ああ、ここに行きたい世界がある・・いつかきっと学びたいと心に決めた。
実際に学ぶまでには10年待ったが、望みの炎はその間も消していなかった。
行ける条件が整い、合宿に一般参加した。
知らない人たちの中で、私は自由に過ごすことが出来た。
自分の内を旅し、その世界を創作という形で創り表現していく。その場には「評価」は無い。
先生もリーダーも居るのだがヒエラルキーが無いので段差が無い。
そこは自由と思いやりと愛があった。
(この作品は、そのときの合宿で最後の日に制作したもの。
緑の地球。世界中に花が咲いている。
花を愛し、世界中の人々が争いを手放し国や人種を越えて繋がっていく・・・世界の平和を願って出来上がったもの。)
どんな人の中にも「創造性」がある。
無い人は居ない。気付いていないだけ。
忘れてしまっただけ。
クリエイティビティは魂と繋がっていると私は感じている。
クリエイトすることは「魂」の持つ力を思い出す事であり、呼び起こす(再生する)ことでもあるのではないだろうか。
表現アートセラピーは、
様々なアートを繋げて(クリエィティブコネクション)まだ見ぬ自分に逢いに行く旅でもある。
まだ見ぬ自分は、本来ある自分の中の光や闇でもある。
それを思い出す内なる旅路。
一旦破壊されて失ったものを、アートという媒体で再生していく。
(個人的には、フラワーエッセンス療法と通ずるものがあると私は感じています。
または、本来ある自分を知る占星術のアプローチにも繋がるものでもあると感じています。)
[パーソンセンタード表現アートセラピーの歴史]
-
創設者、 ナタリー・ロジャーズ
ナタリー・ロジャーズは、「来談者中心療法」という画期的な理論と実践を発展させた心理学者「カール・ロジャーズ」の娘である。
その3つの柱は「自己一致、無条件の肯定的配慮、共感的理解」である。
その理論が発展するにつれ「パーソンセンタードアプローチ(PCA)」として知られるようになる。
ナタリーの母ヘレンはアーティストであった。
ナタリーはその中で育ち、アートと心理学への興味が自然に生じ、ブランダイズ大学で心理士の修士号をとり心理療法家としての訓練を受け、遊戯療法家として子供たちと関わる。
精神科で働いている時クライエントが感情を表現したり洞察するのを助ける方法としてアートを試みる。
父カールのPCAの哲学を拡げ、表現アートを取り入れた心理療法的アプローチを発展させた。
その後パーソンセンタード表現アートセラピーの集中トレーニングを作り、実践。
パーソンセンタード表現アートセラピーは、アート、ムーブメント、歌、文章、音、瞑想、ドラマ、ダンス・・等、様々なアートを組み合わせ(クリエイティブコネクション)心の旅路をサポートする。
人間の中には「創造性」があり、それを表現することは霊性の目覚めである。
心理療法では無視されがちな霊性の部分を大切にし、普遍性を見出して未来へ向かう人間愛、人類平等の創造的意識を発展させていく必要がある。
大切なのは自分に内在する力を自覚すること、そして不思議な力の感覚、可能性への信頼、とナタリーは言う。
パーソンセンタード表現アートセラピーは多様なアート、ムーブメントをを用いて
成長と癒しを促す。
そこには「きれいな」技術的なものは必要なく、外界に形を創造することによって内的感情を表現する。
自己一致、無条件の肯定的配慮、共感的理解がその場にあり、許された安全な場が保持されている。
・日本では「小野京子さん」がナタリーの元で学び、日本に持ち帰った。
現在は「パーソンセンタード表現アートセラピー研究所」として、表現アートセラピーのWS、ファシリテーター育成などを行っている。
パーソンセンタード表現アートセラピーは日本以外にも世界に拡がっている。